しげミンの防犯対策インタビュー

第1回:江東区潮見マンション殺人事件の防犯対策

東セ協理事:瀬澤外茂幸

しげミン 今回は、マンションの防犯を中心に質問させていただきたいと思います。まず、瀬澤委員長の取り組まれている「東京防犯優良マンション等登録制度」とは、どのような制度なのですか。

瀬澤 この制度は、財団法人東京防犯協会連合会(以下、東防連)の事業で、その調査、審査業務を私ども東セ協が請け負っています。「東京都安全・安心まちづくり条例」の、住宅における犯罪の防止に関する指針に基づいて、東防連が定めた審査基準に則って調査・審査を行い、その結果、一定の防犯性能を有すると審査委員会が判断したマンションを「防犯優良マンション」として登録する制度です。現在、登録認定マンションは6物件。内訳は、竣工後の合格物件が4物件、図面段階の合格物件が2物件です。東防連のホームページで紹介されていますのでぜひご覧ください。

しげミン ところで、今年4月、東京都江東区潮見のマンションで殺人事件がありました。大変ショッキングな事件でしたが、この事件の概要など教えていただけますか。

インタビュアー:後藤しげみ

瀬澤 駅から300メートル。RC造9階建てのマンションの最上階に住む女性が、自分の部屋から行方不明になり、同じマンションに住む男に殺害されるという事件でした。被害者はお姉さんと二人で暮らしていました。マンション自体は新築で、全戸数150戸。今年2月から入居が始まり100戸は入居済み、50戸は未入居という状況でした。4月18日、午後7時30分に事件発生。後でわかったことですが、事件発生当時、9階フロアには被害者と加害者しかいなかったそうです。女性の部屋は916号室で両隣は空室。そして918号室が、加害者の部屋で角部屋でした。加害者は、被害者の両隣が空室であるということで、ある程度計画的な犯行だったのでは、というのが私の考えです。
「最新の防犯機器が入ったマンション、入り口はオートロックで防犯カメラもついている」と報道されていましたが、実際は、カメラはエレベータのカゴ内も含めて5台程度。あの報道が適切だったのか、私どもの基準からいうと非常に疑問でした。全戸数150戸の高層マンションで、カメラが5台。マンションの形態も、ファミリータイプではなくワンルームタイプ。この形態のマンションは、人が働きに出ると無人化します。これらの点からも、犯罪が発生しやすい環境にあったのではないかと思われます。
被害者は殺害され、バラバラにされて排水管から流されるという極めて残念な結果になりました。この事件が今までマンションで起きた犯罪と決定的に違うのは、内部者、つまりオートロックの内側に住んでいる住民に殺害されたということです。


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